もう年だからなおらないよね…は本当?
よくご相談を受ける際に、病院のお医者さんに「年いっているから仕方ないね、と言われました。やはり無理ですよね…。」ということを話される方がおられます。
これはとても端折った言い方で誤解を招く言い方とも言えます。「年を取ると○○が○〇だからなおりにくくなる。」と言われれば、まだわかりやすいし納得もいきます。確かにある意味間違いではないかもしれませんが、理由もなしになんとなく「年を取ったから無理」と言ってしまってよ良いのかをよく考える、よく見立ててから発言して差し上げるべきではないかと思います。
若い人と高齢者は何が違うか?
人間の細胞は日々入れ替わって新しくなっていきます。若いとそのスピードも活発です。いわゆる“新陳代謝”が活発というとわかりやすいかもしれません。それがうまくできない、活発ではなくなってくる、そのことが老化の指標にもなってきます。傷も若い頃だとすぐになおっていたものが、年を取るとなおりにくくなるということでも理解できるかもしれません。
その新陳代謝が停滞してきて上手く素早く細胞が新しくなって来ないことで起こることが老化だとして、そのことで起こる体の変化はどんなことがあるのか?を知りたいですよね。
衰えるカラダの部分や機能を挙げていきますと、脳みそ、心臓、血管、神経の機能、肺、胃や腸、泌尿器官、そして筋肉や骨などが挙げられるでしょう。
細胞が簡単には新しいものに変わらなくなっていき、これらの機能が落ちていくことで、全体的に衰えていくと言うことが出来るでしょう。この新陳代謝機能が低下してくることで組織の回復が遅くなってしまうことがわかりますし、なぜ若い人より痛みがなおりにくいかということもわかるかもしれません。
ただし、これには個人差もあります。人によってはいつまでも若々しくて元気。病気一つせずに70歳を超えてもジョギングをしているという人も普通に出会うことができます。
年をとるから痛いのか?
これまでのことを考えると、年をとったら生理的にも肉体的にも機能の低下を起こしてくるため、若いと言われる人より病気や痛みの回復が遅くなることが多くなるということがわかります。
ですが、最小限の機能低下にしておきたいですよね。内臓などは難しいかもしれませんが、特に筋肉や骨の強さはある程度コントロールできる場合があります。
そのための一番大切な方法は、よく考えるとわかる話なのですが、多くの人はできません。それは食事と運動と睡眠、そして生活環境の改善という4つになります。
カラダは食べるもので100%維持されていますし、運動は骨、関節そして筋肉を刺激します。そして関節を滑らかに動かし続けることを助けます。睡眠については不明なことも多く、細かく説明することはできませんが、睡眠時間を確保しないと早死にすると言われています。ショートスリーパー(短時間睡眠でも問題ない人)だという人も、後年になって健康問題にぶち当たると言われています。
痛みを持っている高齢者の多くは、運動が不足することによっておこるカラダの(錆びつきのような)機能低下を起こして、若いころにできていた動きが出来ないくらいの状態になっています。
関節が目いっぱいうごかない、背中が曲がる、筋肉が無くなる、柔軟性がなくなるなど様々あります。これらが上手くできる若い人に痛みが無いのだとしたら、これらの機能が落ちる高齢者は痛みやすいと言えるかもしれません。ですので、年を取るから痛いというよりも、こうした状態になるから痛みやすい、回復しにくいと考えることができます。
確かに、これらの衰えは不可逆性(戻すことはできない)ことがほとんどで、戻りシロは少ないです。整体で若返らせることはできません。ですが手遅れと言わず何か出来ることはないかを考えましょう。
結局は、後々のことを考えて運動貯金をして、カラダが衰える中でも出来る限り早く最小限の機能低下で済ませられるように準備しておきたいですね。